
2015-03-16
限りある人生を謳歌するために
日一日と青々しく冴える空。
まだ冷ややかな風が木々の間をなぞり、声高に歌う鶯(ウグイス)が枝移りを競い合う。
春陽が地に射しおろし、草花は一層その色が映えだしている。
芽吹きの生命、その新芽は愛おしい中にも自然の力強さを感じさせてくれます。
自然を趣味とする私にとって希望と躍動の季節です。
山登りに山菜採り、一汗流した後は山荘の露天風呂で一休み、滝の音色を聞きながら春の息吹を裸で感じる楽しみが訪れます。
あたたかな季節を駆ければ、鮎の渓流釣りに興じ童心を思い出し、きのこ狩りや紅葉狩りに想いを馳せる。二輪車やパラグライダーで四季の風や木々の装いの変化を感じ取り、冬を迎えればスキーに温泉で汗を流す。
人生を歩んでいく上でのエネルギーの源となる趣味は、多ければ多い程に「楽しみ」も増えるのではないでしょうか。
楽しく趣味を謳歌する上で大事なことが二つあります。
一つは「健康な身体」であること。
「体が資本」の言葉通り、床に伏せていては何も出来ません。
「健康」でいられる事がどれほど幸せなのかを考えてみてください。
64歳になる私は歳相応に「衰え」を意識しています。
精神はまだまだ若いつもりでも、ちょっと体を動かすだけで体が悲鳴を上げる、肉体が精神に伴わなくなってきた事を痛感しています。
最近では、体の鈍る冬を乗り越える為に始めたスポーツジム通いで、肉体の維持を図っています。
機械を使い、ランニング・ウォーキングの毎日一時間半のトレーニング。
しかし、40代までは鍛えれば鍛えるほど肉体が頑強になっていく実感があったものの、60歳を過ぎるとやればやるほど肉体が壊れていくような感覚があります。
現に何度も膝を痛め、運動を控えなければならない時期が増えてきました。
体を壊し床に伏せてしまったのでは本末転倒です。
そこで私が出した結論は、「足るを知る」こと。
無理をせず、度を越えないほどほどの運動で、「健康な身体」を維持しています。
そしてもう一つは「気力」です。
今月3月18日から8日間、「夢ハウス友の会」の海外旅行に同行します。
行き先はクロアチア・スロベニア・ボスニアヘルツェコビナの3カ国でのハイライト周遊。
海に浮かぶ古都トロギールやスプリット市内、ドブロヴニクやプリトヴィッツェ湖群国立公園など、各国の世界遺産を中心とした観光は、期待感で長旅である事を忘れさせてくれるでしょう。
初めて訪れる国には観光以外にも見るべきものや得るものが多いです。
その地の気候や風土、文化、物流、人との交流を体感する事は、歳を重ねてもなお「感動」できる良いきっかけになるのではないでしょうか。
「感動」は「気力」を湧かせ、「気力」は「精神」を若くします。
60歳になるまでは他人事のように考えていた人生の終焉も、60歳を超えてからは余生について真剣に向き合うようになりました。
・・・そう考えるのにも訳があります。
歳を重ねる事は、私だけではなく当然私の周りの人達にも起こる事。
私が創業より、お客様との人生に至る所で携わらせていただき、旅行やイベント行事などの多くの「楽しみ」を共有してきました。
しかし、先日あるお客様から「赤塚さん、もう遠出する気力がないから旅行の案内いらないよ」と申し出を受けました。
また、あるお客様からは「足腰弱ってきたから階段に手摺を付けてください」と・・・
末永くお付き合いさせていただき、多くの時間を共有させていただいたからこそ、目の当たりにするお客様の衰えゆく姿、他人事ではない寂しさや虚しさ、人生の儚さを間近に感じてしまいます。
ここ数年で、お世話になったお客様の最期を見送らせていただく事も少なくありません。
限りある人生を謳歌する為に、必要な「健康な身体」と「気力」の維持。
今と変わらぬ日々を、私は10年後も過ごせるように願っています。
まだ10年とも、たった10年とも思います・・・
心踊る「楽しみ」が、いつまでも待ち遠しくなるように、そんな期待と希望を持ち続けられる人生でありたいものです。