
2014-05-20
春の愉しみ
季節を感じる歓びは、目で楽しみ、口で味わうのが醍醐味です。
先日行われた「春の野山を楽しむ会」。
私がガイドを務め、お世話になったお客様に新緑うるわしい、草木が芽吹くこの時期の夢ハウス育成林を五感で楽しんでいただくイベントです。
散策の道中には、山菜があるポイントがいくつもあります。
ウツギの花が咲く頃、丁度田植えを始める頃に「わらび」は隆盛を迎え、昨年「わらび」の親があった場所には必ず今年もわらびが顔を出します。
この場所には「わらび」が、あそこの傾斜には「ぜんまい」が、そこの茂みの奥には「こしあぶら」、「筍」と私は多くの山菜ポイントを把握しています。
一汗流し袋一杯の山菜を携え、向かうは「夢山荘」。
早速、採れたての山菜を天婦羅に調理、揚げたて熱々のまま口に運べば生命のエネルギー、春を謳歌した気分になり皆様大満足の様子。
また、皆さんで苦労し採った山菜は、美味しさが尚一層濃く感じられたようでした。
現在の教育では「木の伐採は良くない」とされているようですが全てがそうではありません。
山には再生のメカニズムがあります。
特に広葉樹は根さえ傷まなければ大きな復元力があるのです。
事実、10年前に伐採した「たらの木」は根を傷つけないように保管しました。今ではその根から再生し、沢山の種をつけ辺り一体「たらの木林」になっています。
山を知る人はただ山を歩くわけではなく、1年1年山の動向を観察して回ります。山菜採りは山を知る人と共にするとより面白さを感じることでしょう。
四季折々の自然の恵み、今の時季でしか感じられないものは多々あります。
私の日課、体力維持の運動は相も変わらず継続中。
初夏を思わせる今時期でも陽が昇る頃には目的地の半分を通過。
四季の中で一際躍動を感じるこの時期を、あと何年経験できるかを考えると毎日が愛しい気持ちと、寂しい気持ちで交錯してしまいます。
それでも、これから辿り着く地の風景を想像すればペダルを踏み込む力もより一層強くなります。
長く長い人生のような坂道を駆け上がればようやく辿り着いた目的地、夢ハウス育成林「夢山荘」。
息が上がる思いをした代償は、このうえない感動が待っています。
季節の風景を一人占めしながらの露天風呂での入浴は、ここで味わう最高の贅沢です。
見渡す限り人工物の一切ない風景、眼下に広がる鮮明な青葉、そこから感じる生命の息吹、心静まる滝の音、鳥の鳴き声・・・
これがこの世の桃源郷と思う私は、改めて自然が、なにより山が好きなのだと感じます。