
2013-04-27
人財として咲き誇るか、否か
沿道の並木道。
春を彩る満開の光景も、気付けば舞い散る桜の花弁。
長らく待ち望んだ時間よりも、どうしてこうも儚いものなのでしょうか。
「桜」に対する思い入れは、「咲く」「散る」など喜びや悲しみの比喩表現としても多用されるように、日本人にとって特別な存在であるように思います。
新年度を迎え、4月も終盤に差し掛かりましたが、夢ハウスは今春より8名の新入社員を迎えました。
大工や設計などこれから建築を志す者として、各々が初々しく希望に満ち溢れた表情で社会人としての第一歩を踏み出しました。
平成25年度の新入社員 夢ハウス東港事務所にて
そしてこのひと月、私が新入社員と共に仕事をしていく中で気付いた事があります。それは社員教育のあり方です。
将来有望な社員は、仕事において次に何をすればいいか理解している為、先手先手と行動をおこしてくれます。何よりもまず目の輝きが違います。
反対に、将来が不安な社員は何をするにも動作が鈍く、逐一私が指示をしなければ動こうとしません。
いわゆる「指示待ち人間」になっています。
「指示待ち人間」の多くは失敗を恐れる人、仕事に対し興味や関心が薄い人。
なかでも厄介なのが、コミュニケーション能力に欠ける人です。
失敗を恐れる人や興味・関心が薄い人は何かきっかけがあれば乗り越えられる問題ですが、コミュニケーション能力に欠ける人は人格形成の基となる幼少期に問題があります。
「三つ子の魂百まで」と言いますが、幼少期に友達と一生懸命遊んだ子は対相手がいる事によって、その遊びから次は何が起きるだろう、こんな事をすれば相手は喜ぶ、または嫌がる、喧嘩をすれば痛みが分かる、その時の体験が社会に出ても応用に繋がります。
一方、コンピュータゲームで1人遊んでいた子や勉強ばかりしてきた子は狭い世界しか知らない為、相手を察する能力が培われないのです。確かに、基礎学力も大切ですが、社会に出て応用がきかなければ活躍の場も限られてしまいます。
仕事は1人で出来るものではありません。
例えば、毎朝行っている桟積み作業。乾燥前の何十kgもある材料を、2人1組になり積み上げていくのですが、お互いが相手のタイミングを見計らいながら作業をしないと指を挟んだりと怪我をしてしまいます。作業も後半になると苦しく疲れも加わり、相手のことをあまり見なくなるので注意が必要です。自分が苦しい時程、相手を思いやる気持ちが大切になります。
また、電話応対一つとってみても、相手が何を欲しているのか、何を考えているのか、相手の心を掴む力・読む力がなければ社会で生きて行く中ではマイナスです。
相手の呼吸・タイミングを合わせなければ仕事として成り立ちません。
「2:6:2」の法則をご存知でしょうか?
企業全体で社員を10としたとき、2割が優秀でよく働き会社を引っ張っていく人、6割が前者に従い働く人、残り2割があまり働かず中には足を引っ張る人。
当然、会社にとって財産となる人材は優秀でよく働き会社を引っ張っていく人です。そしてその人たちに共通する点があります。
それは「進んで仕事をみつける人」です。
「進んで仕事をみつける人」は必ず夢があります。
夢があると目標を掲げます。
目標があると計画を立てます。こうした逆算が出来る人は、眼つきも変わり行動も変わります。
5年後、10年後の自分の未来像を見据え、行動が伴う訳です。
企業にとって人材の確保は資産形成。
その人材が「人財」と育つか、はたまた「人罪」となってしまうのかは本人の努力次第です。
まずは夢を描き目標を掲げる事。
目標成就の為に行動を伴わせる事。
すると、いかに一日一日が大切なのかに気付くはずです。
我々人間にたった1つ平等に与えられた「時間」。この時間をどう活かすか。
それを感じられる人ほど進歩があるのかもしれません。
今年の新入社員が桜のように満開の花を咲かせる事を切に願います。