
2013-03-16
人の心を動かすものとは
先日の出来事です。
私の下へ一通の封書が届きました。差出人は慈善事業団体だと思います。
封書の中には手紙と共に、振込用紙が同封されていました。
手紙の内容は「ある地域の難民・子供たちに救済の手を」というものでした。
しかし、この手紙には誰が、どういう活動をしているのか一切明記されておらず、さらに振込用紙には決して少額とはいえない金額が既に記入され、その寄付金がどのように運営されるのかも不明確でした。
恐らく、優良な企業を調べ、一方的に振込用紙を送り、そのうちの何社が応えてくれれば御の字という考えなのでしょう。
いくら困っている子供たちの為とはいえ、それを運営する団体の活動の不鮮明さに、私には逆に騙されるのではないか、という感覚でしか捉える事ができませんでした。
私の心は全く動かなかったのです。
「人を動かす」には、その人自らの心が動きたくなる気持ちを起こさせなければなりません。
これは募金活動に限ったことではなく、仕事や生活上においても同様の事がいえるのではないでしょうか。
相手が何を求めているのかを察し、「情熱・熱意」をもってそれに答えるよう行動する事で「人の心は動く」ものだと思うのです。
そんな私の心を動かした人物の一人が世界的建築家、安藤忠雄先生です。
あの日、東日本大震災から2年が経ちました。
安藤先生は震災後、何人かの発起人と共に「桃柿育英会」を発足。
東日本を襲った大地震により、親を失った子供たちや、学びたくても学べる環境にない子供たちの為に育英資金を募っています。
安藤先生は、この募金について私のところにも自ら足を運んでいただき、情熱と熱意をもって切実な現状を訴えられました。
そんな熱意に私もいつの間にか惹かれ、「自分にも出来る事はないか」と微力ながら協力させていただきました。
例え正しい情報でも、相手の心を動かす熱意がなければ、単なるエゴで終わってしまいます。
どんなに時代が移り変わり、時を積み重ねようと、いつの世も人の心を動かすのは「情熱」と「熱意」なのです。