2019-05-18
安藤忠雄さんとの出会い、共感
「赤塚さん、イタリアに行ってみてよ!」
春爛漫の或る日、突然の電話。その声の主と要件に私は驚きました。
私の携帯電話に直接電話をかけてきた相手は、世界的建築家・安藤忠雄さん。
伺えば、4月9日よりイタリア・ミラノでファッション界の重鎮ジョルジオ・アルマーニさんの文化複合施設「ARMANI SILOS」において、安藤さんの「建築展」が開催されるとのこと。
2人の出会いは、2001年にミラノの多目的施設「ARMANI TEATRO」を安藤さんがデザインしたことがきっかけ。
そこからアルマーニさんと安藤さんの親交が始まり、昨年パリで開催された安藤さんの建築展をアルマーニさんが拝見し感銘を受け、アルマーニさんのたっての希望で今回のミラノ開催が実現したそうです。
そんな世界で活躍されるお二人の盛大なイベントに、まさか安藤さん本人から直接行ってみないかとお誘いいただいたのです。
しかし、当時の私は腰が悪く長時間のフライトに不安を感じていた事もあり丁重にお断りさせていただきました。
ですが、世界的建築家の安藤忠雄さんが個人的にイタリア・ミラノまでご自身の建築展に行かないかとお誘いいただけるのは、大変名誉な事であり感謝しかありません。
アルマーニさんと肩を並べるのはおこがましいですが、私と安藤忠雄さんとの出会いは2005年、当時の夢ハウスパートナー総会に講演のお願いをしたことに始まります。
控え室で様々なお話をさせていただき、若くハングリーな生き様に共感しお互い意気投合。
それから積極的に数多くの講演会を開いてくださり、安藤節で参加者の心を掴んでくれました。
またある時は、安藤さんの作品に私たちの無垢材を数多く使っていただき、仕事仲間としての関係も深まっていきました。
今では、いつでも気軽に携帯に連絡が入りますし、時折いただくお手紙は安藤さんが直々に細工を施し、いつも心のこもった作品を送っていただいております。その貴重な作品をいくつかご紹介します。
数年前、新潟名物の笹団子を送らせて頂いたときの事。
御礼状が数日後に届き、笹団子のお礼と共に安藤さんが直接その団子を描いたイラストが入っていました。
そのイラストには私の顔写真が貼りつけられており、まじまじ眺めるほど不可解なデザインだな、と始めは感じたものです。
その後、安藤さんから電話があり、私にこう言うのです。
「赤塚さん、あのイラストどうだ!いいだろ!嬉しいだろ!」
またまた不可解に感じましたが、後日安藤さんの奥様からその真意を聞かされ少し嬉しくなりました。
「うちの人、餡子が大好きなんだけど、病気をしてちょっとしか食べれないの。そんな大好きな餡子を口に運ぶたび、赤塚さんの顔を思い浮かべてたんですって。すごく嬉しかったんだと思います。」
安藤さんなりの愛情表現が心に響いた瞬間でした。
プライベートで安藤忠雄さんと一緒に佐渡島へ出かけた事もありました。
野生の朱鷺が、幻想的な棚田から羽ばたき大空を翔ける姿を目の当たりにした瞬間は2人とも感動し、その晩は夜更けまで人生観を語り合いました。
安藤さんは、時折電話かけてきては、
「赤塚さん、今何してた?」
「赤塚さん、体大事にしろよ!」
「赤塚さん、まだまだ頑張れ!」
私や夢ハウスのことを気にかけてくださったり、心配してくださったり、話の最後はいつも励ましてくださったり。
時には反対に安藤さんの相談を持ちかけられることもあります。
世界的建築家・安藤忠雄さんが新潟の一大工にこれほど気を遣っていただけるのは本当に光栄なことです。
「私たちも日ごろ沢山の著名人に会いますが、安藤忠雄さんと直接個人的な付き合いを根深くされている方は聞いたことありません。凄いことですよ。」
ある時、PHP研究所の役員・櫛原さんは私と安藤さんの関係に驚き、こう話してくれました。
また、大手広告代理店の担当者も不思議そうに話します。
「安藤さんが講演するのは公的なものが多い中、夢ハウス一企業とだけタイアップしてイベント開催や講演会するなんて有り得ませんよ。」
確かに、よくよく考えてみると安藤忠雄さんは世界の第一線で活躍する著名人。日本の文化勲章授章、フランスの最高勲章「レジオンドヌール勲章」やイタリアの共和国功労勲章も授章しています。そんな重鎮の言動は建築業界や時には国をも動かす影響力を持っています。
改めて、新潟の一大工がそんな方と親しくさせていただき、気にかけていただいていることに今更ながら不思議さと「縁」を感じずにはいられません。
一期一会の出会いに感謝し、これまでに様々な著名人・有名大学の教授の方々
にご支援いただき夢ハウスがここまで成長してきました。
おかげで、木材乾燥機をはじめとする数々の特許・実用新案・意匠登録の取得。数百の大臣認定、グットデザイン賞に至るまで獲得することができ、建築のプロたちが集まる加盟店グループとしては日本一まで登りつめました。
そして、建築を志すものなら知らない者はいない建築業界・最高峰の頂にいる方と気軽に話せる距離にまでになりました。
しかし、そうなることを望んできたわけではなく、ただひたすらに良いものをつくり続け、住まう家族に提供したいという「情熱・熱意」が人を動かし「出会いの運」という引力を働かせてくれたのだと思います。
もし、ただ安いだけのものづくり、売って終わりの物売りの商売に走っていたら絶対にこんな人生にはなっていなかったはずです。
私の人生、日々チャレンジです。
もっといい建築。もっといい住宅。もっといい暮らしが必ずあるはずです。
常に可能性にチャレンジする、そんな人生でありたいのです。
それもまた、安藤忠雄さんと共通する信念です。
そんな2人が次世代に向けて何かできないかと話し合いました。
「赤塚さん、一緒になんかやろうよ!若者たちに夢かけることの面白さ伝える何かをさ!」
「先生、それなら今まで命がけでやってきた人生観を語る講演会を東京で やりましょうよ!」
話は盛り上がり、業界専門誌「日経ホームビルダー」でも異例の広告を打つことになりました。
安藤忠雄さんと一企業(夢ハウス)がコラボレーションした稀に見る講演会です。
6月26日(水)13:00〜 ビジョンセンター八重洲南口にて、
安藤忠雄さん講演会「夢かけて走れ。」
夢ハウス主催で開催いたします。
詳しくはこちら
http://www.yume-h.jp/seminar/336/
世界を股にかけ活躍する建築家・安藤忠雄さん。
その原動力は常に夢と挑戦。
2020年、東京オリンピックを境に、日本の建築業界・住宅産業はどのように変化してしまうのか?新時代のその先を見つめる鋭い洞察力と世界基準の発想から、夢を叶える道標となる経験談をお話しいただきます。
僭越ながら私、開演の挨拶を務めさせていただきます。
是非、この機会にご参加ください。