
2018-11-13
お客様がお客様を呼んでくださるものづくり
会社はお客様があってこそ成り立つもの。
そして住宅の仕事は、お客様を守る為に永遠に続かなければならない責任があります。
だから会社は永遠に存続しなければなりません。
創業より現在まで変わらず続く夢ハウスとお客様との縁。
「信用が信頼へと繋がり、絆で結ばれ感謝をもたらす」
常に謙虚に、感謝の念を忘れない。それは夢ハウスという会社がこれから先、永年にわたり守り続けなければならない信念。
その信念を貫き通していると、時に思いもよらない奇跡が訪れる事があります。
先日も私自身改めて「夢ハウスの真髄」を思い起こさせる出来事に遭遇しました。
夢ハウスでは毎週のように新潟県内の拠店にて実際のお客様の住宅をお借りしての見学会を開催しております。私も毎回、見学会があるとお客様宅の見学会場へお邪魔して、そのお客様へのお礼と雰囲気を感じ取ってきます。この日は上越市のお客様でした。
高速のインターを下り、山へと向かってどんどん進む車。次第に人里離れてゆく風景に「本当に見学会の来場者があるのだろうか?」と一抹の不安を覚えていました。
見学会場へ到着早々、私がお礼を申し上げる前に
「会長さん!良い住宅をありがとうございました!」と施主である旦那様からお礼を賜り、ひどく恐縮してしまいました。
人は自分が思っていた以上の価値にめぐり合うと感動します。
「本物だから良い」なんとなくそう思っているお客様は多いと思います。
では"本物"とは何か?と問われれば、それは物語を語れる事だと思うのです。最近では野菜を買っても生産者の顔と産地がわかります。「どこで・誰が・どうやって」その物語を語れるのが夢ハウスです。
夢ハウスの床板。
北緯58°バイカル湖以北、極寒の大地ロシアの赤松。種から育った実生(みしょう)の木は直径わずか30cmほどしかない幹でありながら樹齢は300年。この細かく目の詰まった貴重な赤松を自社工場で、製材・乾燥・加工を施し最終的に現場の大工職人の手により作品へと仕上げていきます。
新建材とは違い「本物の木」には人間と同じく一つとして同じ顔はありません。
木目の違い、色の違い、節の違い、そのムラを職人の感性で調和をとり「美」に仕上げていきます。
床板一つとっても手間が余計にかかっています。工場の生産時はまさに最たるものですが、現場大工も色味や節の量などのバランスを見て違和感なく施工します。
例えば、玄関ホールはその家の顔。最初に内装を見る場所です。来客時に良い印象を与えるために極力節が少ない床板でまとめて張ったりしています。そこに社内的ルールはないのですが、職人の粋な計らいと言うのでしょうか、彼らはそれを黙ってやります。本物の職人の世界はそうした気遣い気配りの連続なのです。それが、壁・屋根・建具・家具など夢ハウスの住宅全体に及ぶことをお客様に説明すると感動の質はさらに向上していただけます。
職人は寡黙です。お客様のために気持ちを込め手間を惜しみませんが、これをあえて言いません。私も職人ですから、現場を見れば語らずとも棟梁の想いが瞬時にわかります。だから大工の代弁者となってお客様に聞かせてあげるのです。
出来上がった作品に感動されていたお施主様は、この見学会に合わせ職場の同僚に案内状を出してくれていたそうです。
そして私が訪問した時も、招待したお客様が来られると奥様が熱心に何時間も夢ハウスの価値の説明をしてくださっていました。これほど心強い営業スタッフは他にいません。逆にただ後ろをついて回る弊社営業マンの姿に私は苦笑いです。
完成した住宅をプライベートな寝室まで、隈無く他のお客様にお見せする見学会にお借りできることだけでも大変ありがたいことなのに、ご親戚・ご友人・職場の同僚にまで率先して営業してくださることに、感謝の気持ちしかありません。
お客様の想像以上に良いものを一心につくり続け、感動していただくことで見学会場という"見合いの場"を提供してくださり"仲人"まで引き受けて、次から次へと"見合い相手"を連れてきてくださる。
私が40年前に一人独立してやってきた当時となんら変わらない姿が、そこにはありました。
「お客様がお客様を呼んでくださるものづくり」
夢ハウスの真髄を再認識できた1日となりました。
秋の日は釣瓶落とし。木枯らしが身を凍みさせるような夕暮れ。散りゆく紅葉を眺めつつ、鼻奥がツンとするのは冬の季節の便りでしょうか。