
2018-10-03
商売への熱意とは
林立するビル、はでやかな大型ビジョン、祭りのような賑わいのアーケード。
時の流れに追われるよう、忙しく歩く人々。
多種多様の雑音と絶え間なく訪れる雑踏のざわめき、喧騒。
いつ訪れても刺激的な街、東京。
新潟の片田舎から東京へ訪れる度に、まるで「異世界」へ訪れたような衝撃を受けます。
同じ時間でも時の流れが速く感じ、人が活性化しているように感じるのは都会ならでは。
まるで新潟で過ごす時間がのんびりとしているような錯覚をしてしまいます。
今回、私が上京した目的は、ミサワホーム創業者、現MISAWA・international株式会社代表取締役三澤千代治さんにお目にかかる為。
実際にお会いするのは数年ぶりにも関わらず、私の相談に対し、的確なアドバイスをくれる三澤さん。
御年80歳とは思えない程の顔つき、動作、ギラギラと眼光鋭く、仕事に対し情熱があり、未だ第一線で活躍している姿に敬服しました。
「異世界」東京が、人を活性化させているというイメージはあながち間違ってないのかもしれません。
「商売に対し、大胆でありながら繊細さを兼ね備えている」
三澤さんのその独特の雰囲気と口数の少なさは、生前親しくさせていただいた船井幸雄(船井総合研究所創業者)さんに似ていると思いました。
80歳を超えてなお未来の目標に向け、達成すべく努力する姿。
果たしてどこからそんなエネルギーが出てくるのか私には不思議でなりません。
少なくとも私の周りには、三澤さんのように生きる80代を知りません。
三澤さんと船井さんに共通しているのは趣味が仕事という事。
人間は十人十色、仕事に対しても様々なタイプの人がいます。
私は、パラグライダーや山菜採り、釣りなど過去のブログを読んでいただければご存知のように多趣味です。
趣味に夢中になることでそこから新しい仕事のアイデアが生まれ、仕事へのエネルギーに繋げています。
仕事で張り詰めた糸は、一度緩めないと続けられないタイプです。
一方、三澤さんや船井さんのように仕事が趣味だからと、張り詰めた糸のまま仕事を続けられるタイプの人もいます。
むしろ、趣味として楽しみながら仕事をしているわけですから、張り詰めた糸という表現は適当でないのかもしれません。
それは、24時間365日仕事の意識が身体、細胞の中に溶け込んでいる商売への熱意。
仕事が趣味という人はどういう理由なのでしょうか。
仕事にやりがいを感じている人。
仕事を極めたいと真剣な人。
仕事以外に余裕がない人または仕事以外の時間をつくらない人。
など色々な理由があると思います。
しかし、本当の意味で「趣味が仕事」と言えるのは経営者以外には存在しないのではないでしょうか。
趣味に責任は生じませんが、仕事には責任が生じます。
経営は生きるか死ぬかの博打にも似た世界。
いかにリスクを取れるかの勝負です。
「仕事が趣味だよ」と、容易に語る三澤さんは天性の勝負師ではないでしょうか。
生涯経営者として現役を貫くには 絶え間ない努力と計り知れない覚悟が必要です。
80歳を過ぎてもなお、それを実践している事に敬意を表さずにはいられないのです。
「人生に於いて、万巻の書を読むより、優れた人物に1人でも多く会うほうがどれだけ勉強になるか」(経済学者 小泉信三)
正味、3時間という短い間でしたが多くを学び、エネルギーをいただいた上京となりました。